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小説

背骨になってくれる存在ー『推し、燃ゆ』(宇佐見 りん・著)感想ー

【2021年本屋大賞ノミネート作品】
【第164回芥川龍之介賞受賞作】
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を””解釈””することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。

 

かなりの話題作で私が図書館で借りた本は、なんと41刷目でした。
(しかも半年で、、、!)

私もアイドル好きなので推しはいるんですが、
推しが人生の大部分を支配している主人公の生活は圧倒的すぎていて
知らない世界をのぞき見た感覚でした。

感想

推しは”私”の背骨だった

主人公は、うまく生きることができなくて
家族からも疎ましく思われる存在。

なにか障害を抱えているということもあるのか、
家族とのやりとりはそういう描写が多く全体的に暗かったです。

だからこそ、推しを推しているときの主人公は
ちゃんと生きているように感じて
誰かの存在で人生が明るくなることは素敵なことだ、
と思ったりしました。

生きづらい世の中

現代社会らしい悩みが反映された物語だなと思いました。

これだけ”推す”ことができるのも、
昔よりアイドル活動が盛んになったからだし
SNSが広まったからですよね。

SNSがあることは、マイナスの面も多く潜んでいるけど、
いろんな媒体で以前より手軽に推しと繋がることができる時代。

その時代の良さも、ここには確かにあるんだなぁと感じました。

そんなにのめり込めないなぁ、と個人的には思うんですが、
推しの存在があることで以前の自分より良くいられるのは
共感できました。

最後に

芥川受賞作品は、なんだかいつになっても好きになれないですね、、、。

んーーーー、わかるような、いやわからないなーーーー、
って思いながら読んでました。

読了後、彼女の未来がとっても心配になりました。
いろんな意味で後を引く小説です。