生活カテゴリーは"こちら"から
小説

わたしは何を思い出すだろうー『ライオンのおやつ 』(小川 糸・著)感想ー

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、
瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、
穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。

ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる
「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。

――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

 

本屋大賞ノミネート作品で気になってた作品でした。

主人公・雫のホスピスでの暮らしを通じて
私自身も日々を丁寧に過ごすことの幸福さや
最期の日まで自分らしく生きることの大切さを知りました。

忘れていたことを思い出させてくれる小説です。

感想

わたしは何を思い出すだろう

余命僅かの日々を過ごすホスピス。

ここでの暮らしは、食べること・眠ること・笑うこと
を大切にしていてとても素敵だと思いました。

特に食事のシーンがたくさんあって
おやつの時間では、
リクエストされたおやつと共に話されるその方のエピソードがあります。

それぞれの人生を切り取ったとき、
おやつが名脇役のような瞬間も確かにあるんだと思うと、
わたしがリクエストするならどれかなー
と考えながら読むのが楽しかったです。

ちなみにわたしは、ビエネッタというアイスケーキかなと思います。
(理由は気が向いたときにnoteにでも書こうかな)

生きることと死ぬこと

雫の病気が発覚してからの闘病の日々、
そして努力したけれど余命を宣告されてしまってからの葛藤、
その移り変わりから雫の辛さがよく伝わってきて苦しかった。

悪くて、みっともないと。でも、そうじゃない。死を受け入れる、ということは、自分が死にたくない、という感情も含めて正直に認めることだった。少なくとも、私にとってはそうだった。

そして、ライオンの家で過ごすことによって、
自分の中の気持ちを整理していって最後には
雫はちゃんと我が儘に生きることができた。

最後に向かうに連れて、読んでいて涙ぐむ瞬間がどんどん増えました。

 

思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変える

ライオンの家を営んでいるマドンナの言葉もどれも暖かくて、
あまり死ぬことに対して考えたことがなかったけれど
こんな素敵な場所で最期を迎えられるなら素晴らしいな、と考えたりしました。

最後に

この本は、初めてweb図書館を使ってみようと思い、
文学カテゴリーを探していて見つけました。

こんな話題作も気軽に読めるの素晴らしいですよね。

ちなみに、図書館の利用者は市民の2割のようです。
誰でも平等に使える権利があるから、
web図書館があることでもっと図書館の利用者が増えたら良いですよね。

わたしもなかなか、読む頻度が減ってしまったので、、、
web図書館もうまく活用していきたいです。