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小説

たとえ美術が好きでなくとも惹きつけられてしまうー『ジヴェルニーの食卓 』(原田 マハ・著)感想ー

「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。
それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。
「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。
「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。
「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。
いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。
「太陽が、この世界を照らし続ける限り。
モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」
(ジヴェルニーの食卓)。

モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。時に異端視され、
時に嘲笑されながらも新時代を切り拓いた四人の美の巨匠たちが、
今、鮮やかに蘇る。
語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。
助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、
美と愛を求める闘いとは。

『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、
珠玉のアートストーリー四編。





まさに、原田マハさんにしか書けない物語でした。

4人の画家それぞれの人間性・絵画にかける思いが
側にいた女性たちの視点からリアリティを持って伝わってきます。

史実に基づいたフィクションなのだけど、
それを忘れてしまうような、
本当に彼らがそんな風に過ごして描いて生きていたような物語でした。

私が美術館に通うようになったのはここ4〜5年なのですが、
それも現代美術をみることが多いので、
昔の時代の美術に関しては浅い知識しか持ち合わせていませんでした。
けれど、そんな私にも深くのめり込んでいける物語でした。

とってもパリの美術館へいきたくなります。

美術好きにもそうでない方にもおすすめの一冊です。




感想

読む美術館

本の紹介でも書かれているのですが
まさに「読む美術館」でした。

それも原田マハさんがこの巨匠たちに熱い愛を持っているからこそ
美術に精通していない人にも伝わってくるものがありました。

ただ絵画を見てまわるだけではない、美術の楽しみ方を
この作品は教えてくれたように思います。




絵画が生まれる背景には…

私は以前モネ展に行ったことがあるのですが、
やはりみたことのある作品は面白さが倍増でした。

この短編集は、確かに無知な私でも楽しめるのですが、
画家の絵画を知っているのと知らないのでは
数段感じ方が違ってそれがまた面白いです。

「あの作品の背景にはこんな事情があったのか、、、」
「こういう人間性だから生まれた作品だったのか、、、」

など、自分の考えも頭の中を駆け巡って楽しく読むことができました。

 

ぜひ、絵画を調べながら読むことをおすすめしたいです。
ページをめくる手を止められない方は、
調べた後に再読必至な作品です!




最後に

原田マハさんの作品には、絵画に興味がなかった人にも
いつの間にか虜にさせてしまう魔力があるような気がします。

「もしこんな風に絵画が作られ、彼らの人生があんな風だったのなら、、、」
そんなことを思いながら芸術鑑賞をする楽しみができてしまいました。

なにも知らなかった頃の自分の感性も大事に、
また同じ作品をこの目で見てみたらどんな風に感じるのだろう。

そんな好奇心を芽生えさせてくれる作品でした。