ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。
日本人女性のサチエが店主をつとめるその食堂の看板メニューは、
彼女が心をこめて握る「おにぎり」。
けれどもお客といえば、日本おたくの青年トンミひとり。
ある日そこへ、訳あり気な日本人女性、ミドリとマサコがやってきて、
店を手伝うことになり…。
普通だけどおかしな人々が織り成す、幸福な物語。
映画の方を数年前に見て、原作はまだだったので読みました。
最近、旅行に行きたい思いが膨らんできています。
気づけば海外の雰囲気が味わえる小説ばかりを手にとってます。旅行にいける日が早く戻ってほしい。当たり前ではなかった当たり前になってしまっていたことを、もっと大切にしないといけないな、と思わせられます。もう6月も後半。1年の半分が終わる。
— serina|あさぎいろの図書館 (@Se_asagiiro) June 19, 2020
海外行きたいけどいけないときは、
海外が舞台の小説が読みたくなるみたいです。
非日常の中にある日常が描かれていて、ほっこりしました。
北欧の空気感が感じられます。
感想
目的地が何処なのかなんて関係ない
サチエもミドリもマサコもフィンランドに強い気持ちがあってきたのではなく、
結構ほわほわした思いでこの国にやってくる。
サチエは、お店をやりたくて訪れたけれど、
ミドリとマサコはそういうわけでは全然なくて。。。
でも、目的地が何処なのかなんて重要ではなく、
誰と何をするのか、それこそが
その土地を楽しむために大切なことなのかもしれないと感じた。
「自然に囲まれている人が、みな幸せになるとは限らないんじゃないかな。
どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。
その人がどうするかが問題なんです。しゃんとした人は、どんなところでもしゃんとしていて、
ダメな人はどこに行ってもだめなんですよ。きっとそうなんだと思う」
そう言い切るサチエに学ぶことはたくさんあるなぁ、と
滲み出るサチエの芯の強さを感じて思った。
ありのままの自分でいること
フィンランドに来たからと言って、自分を変えないサチエ。
自分を持った芯のある生き方が素敵だと思った。
「この間食べたシナモンロールがおいしかったから、また来たわよ」
といってくれるおばちゃんがいる。そんなことで満足している自分は、商売人としては失格なのかもしれないが、
サチエはそういう小さなことがうれしかった。
こういうことを大切にできる人は素敵だな、と思う。
お店をやっていくことは、そんなシンプルなことではないとは思うけれど、
こういう小さなことをずっと大切にしているお店に通いたいと
誰しも思うものだと思う。
そんな人と接していたいと思うから。
この作品を読んでいると、
生きていく上で大切にし続けたいことはなんなのかを
考えさせられると思った。
最後に
想像して非日常を味わえる作品って良いですね。
また、映画を観たくなりました。
何故だか、小説と映画を何度も往復して楽しみたくなる作品です。
そして、なんと実際に「かもめ食堂」がフィンランドにあるみたいです。
こちらの記事が新しく写真がたくさん載っていました。
観てるだけで、わくわくします。
いつか、旅行にいくことが会ったら訪れたいです。
そういう目的の旅行も素敵ですよね。
いつかの未来が楽しみになりました。