年下に片思いする文系女子、不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれる化粧品会社勤務のOL……。恋愛下手な彼女たちが訪れるのは、路地裏のセレクトショップ。不思議な魅力のオーナーと一緒に自分を変える運命の一着を探すうちに、誰もが強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合っていく。「あなたといたい」と「ひとりで平気」をいったりきたりする女心を優しく励ましてくれる物語。ルミネの広告コピーから生まれた恋愛小説。
「ルミネの広告コピーから生まれた恋愛小説」というのが気になって読んでみました。
どの小説も1つの洋服屋さんが出てきて、
そのお店の試着室でそれぞれの主人公が自分の気持ちを明確にする。
そして、また一歩を踏み出す。
というようなストーリーで、どの章もそれぞれの恋愛があり、
忘れかけていた気持ちを思い出させてくれるようでした。
何のために、誰のために、洋服を選び身に纏うのか。
ファッションは私たちの背中を押してくれる。
また、素敵な洋服を迎え入れたくなる小説です。
感想
6人の女性がそれぞれ主人公になった短編集です。
恋をしていたら、つまずいてしまう瞬間は誰にだってあるもの。
そんなとき、洋服の力で前を向くことができる。
私たちは、洋服を身に纏い自分自身を表現することで、より強くなれる。
そんなことを感じさせてくれる物語でした。
「わたしの似合うパンツ」ではなく、
「白いパンツに似合うわたし」に固執していたのだ。
着たいと思った洋服を着ることも良いけれど、
洋服に自分が合わせにいくのではなく、自分に合う洋服を選ぶことを
忘れずにいたいなぁ、と思ったのでした。
最後に
どの女性にも、その女性が一番輝ける洋服を提案する。
そんな店員さんの良さも際立っていて、
こんな接客を求めていたんだった、と思い出しました。
お気に入りのお店を発掘したくなりました。
わたしは、アパレルメーカーで働いていたので、
洋服に関するものづくりには、かなり気持ちを注いでしまうので、
こうやって旅立っていった洋服たちはなんて幸せなんだろう、、、
とほくほくした気持ちになりました。
ルミネの広告コピーは、毎回楽しみにしているくらい
気に入っていたので読めてよかったです。